ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

棺の女 リサ・ガードナー

 若い女性の拉致監禁事件を扱ったサスペンスは多いので、これまでに似たような話をいくつも読んだけど、これは監禁状態に置かれた女性の心理状態をかなり詳細に書いていて興味深い内容だった。肉体的な虐待もおぞましいけど、誘拐犯に心理的に支配されていく様子が真に迫っていて、恐ろしいけど引き込まれるものがあった。7年前に誘拐され472日間監禁された後、奇跡的に生還した女性が再び誘拐されるという込み入った事件で、現在の誘拐事件が進行するのと同時に、過去の事件の事実が少しずつ明かされていき、最後に全てが繋がる構成が上手いと思った。誘拐事件から生還してもトラウマが残り普通の生活には戻れず、ずっと苦しみ続けている被害者の実態を描いていて考えさせられた。

 これはDDウォレン刑事シリーズの8作目だけど、シリーズの最初のほうは翻訳されていないので、いきなりこれを読んだからDDのキャラクターがちょっと掴みづらかった。彼女は4作目で結婚し、5作目で子供を産んでいるらしいので、その辺を読んでいたらもっと親近感を持てたかもしれない。

 リサ・ガードナーは昔ヴィレッジブックスから出ていたのを2冊くらい読んだけど、元ロマンス作家にしてはかなり硬派なサスペンスを書いているのが意外だった。久しぶりに新作を読んでみたら予想以上に面白かった。昔よりパワーアップしてるかも。K・スローターとか好きな人にも良いんじゃないかな。

 

ちなみにこのシリーズの"Hide"が2011年にアメリカでTVムービーとして映像化されている。日本では見れないけどアメリカのアマゾンでは配信されているみたい。

https://m.media-amazon.com/images/I/81qojLQuSgL._AC_UY327_FMwebp_QL65_.jpg

 

そして何とデビュー作の「素顔は見せないで」も映画化されていた。

   

B級アクション映画っぽくて原作とは別物になっていそうだけど。

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