ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

二流小説家 デイヴィッド・ゴードン

 この作者は日本での評価がやけに高く、本作は色んなミステリーのランキングで1位になっている。本国のアメリカではそこまで凄い人気というわけでもなさそうなのに、日本で受けたのは何故なのか不思議に思い読んでみた。

 二流小説家のハリーが残忍な連続殺人犯の死刑囚から告白本の執筆を依頼され、取材しているうちに事件に巻き込まれていくというストーリー。前半は売れない小説家の実態を描いていて、ポルノ雑誌のライターをしていたとか、高校生の家庭教師と称してレポートの代筆をしてたとかいう話を面白可笑しく書いている。いろんなペンネームでSFやハードボイルドやヴァンパイア小説を書いていて、それらが作中作として差し挟まれていた。性奴隷のアンドロイドが出てくるスペースオペラとか、SM風のヴァンパイアものとか、かなりバカバカしい内容なんだけど笑えた。作者自身も主人公と似たような経歴で色んなジャンルの小説を書いていたそうで、実体験に基づく自虐ネタなんだろうね。

 中盤で殺人が起きてからはミステリーっぽくなる。それまでの呑気な展開から急にものすごくグロい殺人が起きるものだから度肝を抜かれたけれど、実際のところ謎解き自体はたいしたことないような。これはミステリーよりも売れない作家の生態を楽しむストーリーだと思う。そういう意味では楽しめたけど、ミステリーとしてはそこまでの傑作とは思えないなあ。

二流小説家

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