ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

サンドリーヌ裁判 トマス・H・クック

 トマス・H・クックは80年代から活躍しているアメリカの作家で、翻訳もたくさん出ていて日本でも人気があり、ミステリーのランキングで何度も上位に入っているし、日本のテレビ局によってドラマ化されたこともあるという。

 有名な作家らしいけどこれまで読んだことがなく、今回初めて読んでみたら面白かった。法廷サスペンスでありながら、人生や夫婦の再生(奥さんは死んでるけど・・)を描いていて深いものがあった。主人公の夫婦がどちらも大学教授で、会話に文学作品の引用が多く、やけに哲学的なセリフが最初はちょっと回りくどく感じられたけど、徐々に物語に引き込まれ、最後はちょっとウルっときた。

 奥さんを殺害した容疑で裁判にかけられることになった大学教授の男性が主人公で、裁判が進行していく中で、夫婦の色んな問題が明らかになっていく。私は女なので妻目線で見て、この主人公に最初はあまり同情できなかったのだけど、人生に挫折し、歳を重ねるにつれ皮肉な人間になっていったというのは理解できる。深淵なテーマが盛り込まれた独特な作風のミステリーで、夫婦というものについて考えさせられた。地味なストーリーだけど心に訴えるものがあると思う。

Sandrine's Case (English Edition)

Sandrine's Case (English Edition)

  • Cook, Thomas H.
  • Mysterious Press

 

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