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危険な弁護士 ジョン・グリシャム

 はてなブログの改悪でスマホ版だと記事の途中に広告が入るようになってしまったので、タイトル情報を本文の上に掲載することにしました。

危険な弁護士 (上) (新潮文庫)

危険な弁護士 (上) (新潮文庫)

  • グリシャム,ジョン
  • 新潮社
危険な弁護士 (下) (新潮文庫)

危険な弁護士 (下) (新潮文庫)

  • グリシャム,ジョン
  • 新潮社

 法廷サスペンスのジャンルで、最近アメリカで人気があるのはどんな作家だろうと思い、少し前にGoodreadsで多く読まれているLegal Thrillerのタイトルを見てみたところ、やはりジョン・グリシャムが一番で、他にはマイクル・コナリー、ロバート・ベイリー、スコット・トゥロー、スティーヴ・キャバナー、ヴィクター・メソスなんかが人気があるみたい。リザ・スコットラインとか、ポール・ルヴァインみたいな昔読んだ作家が今もまだ頑張っているし、シェルドン・シーゲルとデヴィッド・ローゼンフェルトは知らなかったけど昔翻訳が出ていたので古本を買って読んでみたら面白かった。

 それはさておき、ジョン・グリシャムのこの作品はイマイチだったわ。主人公のセバスチャンは自分のことを「無頼の弁護士」と言っているくらい、ヤバい案件ばかり引き受けて、過去の依頼人から命を狙われたり、警官から敵視されたりしていて、私生活では結婚後にレズビアンだとわかった妻と離婚した後、一人息子の親権で争っていたりする。破天荒な弁護士という設定は悪くないのだけれど、なぜかあまり魅力が感じられないのよねえ。ストーリーの構成も1つの事件を描くのではなく、様々な案件を順番にこなしていくような感じであまり引き込まれないし、これは失敗作じゃないかしら。警察の誤認で家に突入され銃撃された気の毒な男性の案件は警察があまりにも酷すぎて最早ギャグだし、ケージファイトの格闘家の話は、私が格闘技に興味がないせいかあまり面白いと思えなかったし、人身売買の案件は残酷な事件で興味深いけど、そのエピソードに割かれているページ数が少なく、いまひとつ盛り上がりに欠けるのよね。全体的に散漫な印象なので、やはり1つの事件をじっくりと書いたほうが良かったと思う。これはリンカーン弁護士に完全に負けてるよ。

Rogue Lawyer: A Novel (English Edition)

Rogue Lawyer: A Novel

  • Grisham, John
  • Anchor

 

 

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