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闇に浮かぶ牛 P・J・トレイシー

Dead Run (Monkeewrench Mysteries Book 3) (English Edition)

Dead Run (Monkeewrench Mysteries Book 3)

  • Tracy, P. J.
  • G.P. Putnam's Sons

 

 Monkeewrench 3作目。1作目の「天使が震える夜明け」が面白かったので続きも読もうかなと。このシリーズは4作目まで翻訳が出ているけど、2、4作目はモンキーレンチのメンバーがあまり出てこないらしいので、2作目は飛ばして3作目を読んでみた。1作目の登場人物が勢ぞろいしていて、ミネアポリス市警の刑事たちだけでなく、ウィスコンシンの保安官事務所の面々も出てきて面白かった。モンキーレンチのグレースとアニーに保安官補のシャロンを加えた女性3人衆が活躍するストーリーが良かった。

 ウィスコンシンの田舎町で、牛乳運搬用のタンクローリーが事故を起こして横転し、それを見に来た野次馬たちが何故かバタバタと倒れ込むという冒頭の場面に、一体何が起きたんだろうと興味を掻き立てられて読み進むと、場面が変わり、石灰石の古い採掘跡から3人の男性の射殺死体が発見されるという別の事件の話になり、ますます謎が深まっていく。その3人の死体の指紋を保安官がデータベースで検索した途端にFBIが飛んできて事件を引き継ぎ、保安官たちは蚊帳の外に置かれて何も教えてもらえない。どうやらとんでもなく深刻な事件のようで、これは面白そうだと期待が高まる。そんな恐ろしい事件に、たまたまその地域を通りかかったグレース、アニー、シャロンの3人が巻き込まれ、決死の脱出劇を繰り広げるというストーリー。

 いやぁ~凄い事件だった。意表を突く展開にハラハラさせられっぱなし。女性陣の緊迫した状況に対し、彼女たちを救出に向かったモンキーレンチのハーレーとロードランナーミネアポリス市警のマゴッツィとジーノ、保安官事務所のハローランとボナーという6人の男性たちの掛け合いが楽しかった。まあ男性陣も女性たちの身を案じて緊張しているんだけど、6人揃うと騒々しくて、お互いに茶々を入れあうのが面白いのよね。モンキーレンチのメンバーが危機一髪で恐ろしい事態を防ぐ終盤は、手に汗握る展開で盛り上がりとても面白かった。

 

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