このシリーズは1作目が刊行されたのが1992年だから、若い人は知らないかもしれないけれど、当時とても人気があって翻訳ミステリー好きな人はみんな読んでいたと思う。私も最初の5~6冊は読んだかな。かなり昔のことなので内容は忘れてしまった・・。ずっと読んでいなかったけど、5年ぶりの新作が12月に発売予定でドラマ化も決定していて、これからまた話題になりそうだし久しぶりに読んでみることに。
今のところシリーズ24作目までが翻訳されていて、全部読むのは大変なので、主人公の名前がタイトルになっていて良さそうな16作目を読んでみた。スカーペッタがCNNに出演するような有名人になっていて、ネットのゴシップブログで取り上げられたり、姪っ子のルーシーが大人になってIT関係で成功して大金持ちになっていたり、初期の頃とは色々変わっていた。スカーペッタにずっと片思いしていた部下の捜査員の男性が、酔った勢いで思い余って彼女をレイプしようとしたとか、私生活も色々と大変らしい・・。ルーシーがすっかり大きくなっているのにスカーペッタは全然年を取っていないような印象だけど、主役がおばあさんになってしまったら、それはそれで困るから、そこはあまり突っ込まないでおこう。作家も書き始めた時にはこれほど長く続くシリーズになるとは思っていなかっただろうし。
このシリーズは初期のほうが面白かったという評判だけど、これも普通に面白かった。スカーペッタの私生活の問題に頁を割きすぎて展開が若干スローな気がしたけど、ゴシップブログの件は事件にも関連しているので、ストーリー上必要だしね。小人症の女性が殺害され、その恋人で同じく小人症の男性が犯人だと疑われる事件が興味深かった。真犯人は最初からいかにも怪しい感じがしていたので、そこまでの意外性はなかったけれど、複雑な事件で犯人の手口も巧妙だったのでなかなか面白かった。
ドラマはニコール・キッドマンがスカーペッタ役だそうで、彼女なら美人検屍官役にピッタリだから期待できるわね。この小説の映像化権は大物女優のジェイミー・リー・カーティスが持っているそうで、彼女のプロダクションとAmazon Studioの共同製作らしい。もしかしたらジェイミー本人がスカーペッタ役をやりたかったのかもしれないけど (流石に年寄りすぎだもんね・・)、彼女はスカーペッタの姉役とのこと。