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カンバセーションズ・ウィズ・フレンズ サリー・ルーニー

カンバセーションズ・ウィズ・フレンズ

カンバセーションズ・ウィズ・フレンズ

  • サリー ルーニー
  • 早川書房
Conversations with Friends: 'Brilliant, funny and startling.' GUARDIAN (English Edition)

Conversations with Friends

  • Rooney, Sally
  • Faber & Faber

 

  この作家の「ノーマル・ピープル」が良かったので、デビュー作のこちらも読んでみた。サリー・ルーニーは1991年生まれの若い作家で、"ミレニアル世代の代弁者" と言われているらしい。大学生のフランシスとボビー (どちらも女性)と、30代の俳優ニックとその妻で作家のメリッサの4人の入り組んだ恋愛模様を描いた本作は確かに斬新で、欧米で絶賛されているのも納得だけど、私のような日本のX世代のオバサンには、その新しすぎる価値観に共感するのが難しいところもあった。

 フランシスとニックの恋がストーリーの中心になっているけれど、この2人の関係はどこにも行き着かないのよね。結末のないラブストーリーというのは何だかしっくりこない。フランシスは「ノーマル・ピープル」のヒロイン、マリアンと似た自虐的なタイプだけど、マリアンのほうが共感しやすいキャラクターだし、内容的にも「ノーマル・ピープル」のほうがより広く受け入れられるテーマを扱っていると思う。

 ニックとフランシスの関係はとても複雑で、2人のもつれた恋愛感情を繊細に描いているのは流石。お互いの腹を探り合いながら慎重に言葉を選んでいる2人の会話は非常に興味深く、恋愛の難しさを痛感させられた。主要な登場人物が悩みを抱えた複雑な人間ばかりで、不完全な人間同士のラブストーリーがとてもリアルに描かれているのは凄いと思うけれど、どのキャラクターにもあまり好感が持てなくて、そこまでストーリーに入り込めなかったのが少し残念だった。

 

ドラマ化されているけれど、今のところ日本では見れないみたい。そのうちどこかで配信されるかも。↓

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