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海外ミステリーとロマンス小説のブックレビュー

没落侯爵と氷の花 ロレイン・ヒース

没落公爵と氷の花 (mirabooks)

没落公爵と氷の花 (mirabooks)

  • ロレイン ヒース
  • ハーパーコリンズ・ジャパン

 公爵だった父親が女王の暗殺を企てた罪で死刑になり地位も財産も失った兄弟たちのシリーズ最終作。ヒロインの設定が特徴的でサスペンス色が強く、三部作で一番面白かった。以下ヒロインの正体を明かさずに感想を書くのが難しいのでネタバレしています。未読の方はご注意を。

 

 父親が関わった陰謀の真相を探るため、父の愛人だった娼婦エスメの元を訪ねたマーカスは彼女のあまりの美しさにどうしようもなく惹かれてしまう。しかし彼女には驚くべき秘密があり・・・というストーリー。ヒストリカル・ロマンスでヒロインが娼婦というパターンも何冊か読んだことあるけど、このヒロインは娼婦と見せかけて実は違うんだろうなと思いながら読んでいると、彼女の正体は何と女王の諜報員だった!ヒーローではなくヒロインがスパイというのは珍しい。

 マーカスより3歳年上のエスメは辛い過去に負けず諜報員となり、危険と隣り合わせで生きている強い女性だけれど、彼女が父の愛人だったと思い込んでいるマーカスに蔑まれて傷ついたりする繊細なところもあるのが良かった。マーカスと協力して女王暗殺の陰謀の首謀者を探しているうちに彼に惹かれていくけれど、そんな気持ちを隠してクールに振る舞うツンデレぶりにニヤニヤしてしまう。2人で貴族のパーティーに潜入し、書斎に忍び込んで情報を探っている時に見つかりそうになって、咄嗟に逢引き中の振りをするというスパイものの定番のシチュエーションに笑ってしまった。

 陰謀の黒幕が意外な人物だったりしてストーリーも面白かったし、著者あとがきによれば史実を基にした色んな小ネタが盛り込まれていて、ベテラン作家だけあって細かいところまで気が利いていて上手いと思う。次のChessmenのシリーズも刊行されるかな?

 最近はヒストリカル・ロマンスの刊行が減っていることもあり、このジャンルはあまり読まなくなって、新作を買うのはロレイン・ヒースくらいになってしまった。リサ・クレイパスもジュリア・クインもここ数年新作を書いていないしねぇ。エリザエス・ホイトは去年久しぶりの新作を出したみたいだけど、ライムブックスが休刊中だから翻訳は出そうにないわね。メアリ・バログより好きなんだけど。ヒストリカル・ロマンスが好きな方は、一昔前の色んな出版社がロマンス小説をたくさん刊行していた時期に書いていた古いブログもまだ公開しているのでよろしければご覧ください。

 

 

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