恋の魔法は永遠に　キャンディス・キャンプ - ロマンス＆ミステリー小説感想日記

　下の記事に続いてシリーズ２作目。

　１作目のヒーローがつかみどころのないキャラクターだったのに対して、こっちは何てわかりやすいヒーローかしら。ヒロインに一目惚れして、ひたすら迫るストーカーちっくなイングランド人の伯爵。ヒロインはスコットランド人らしい、赤毛の魔女・・ではないけど絶世の美女で男好きのする魔性の女タイプで、森の小屋に一人で住んで治療師をしてる。

　このヒーローのヒロインに対する執着ぶりが笑える。彼女を手に入れたくて必死になるあまりマズイ行動に出て撃沈。墓穴掘りまくりで面白いわあ。寝ても覚めても彼女をベッドに誘い込むことばかり考えてて、キャンディス・キャンプでこれまで出た本はだいたい読んでるけど、こんなに下半身直結型のヒーローっていたかしらと思うくらい。貴族と平民だから最初は愛人関係から始まり、お色気度は前作の５割増しって感じかしら。この３部作、原題がそれぞれ“treasured”、“pleasured”、“enraptured”と韻を踏んでるんだけど、今作はpleasuredだからhotなのは推して知るべしよね。身分差があるから身をひこうとするヒロインの思いが切なくて、ロマンス小説だから最後は結婚するとわかっていても、やきもきさせられたわ。

　前作に引き続きお宝探しもあるし、ヒロインの祖先の謎や、ヒーローの娘の病気やら、この作者らしい飽きさせない展開で面白かった。