ロマンス小説感想日記

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海外ミステリー、ロマンス小説のブックレビュー

スキャンダル公爵の愛しい人 ガーレン・フォリー

 お久しぶりのガーレン・フォリー。以前、割と気に入っていた作家で、「愛の旋律を聴かせて」がとても良かったのに、あれ以降、翻訳が出なくて残念に思っていたのよね。新作が出るなんて嬉しいな。今作は最新シリーズ “Moonlight Square” の1作目。作者のホームページを見ると、最近は妹と共著で現代もののロマンスを書いたり、旦那さんと共著で児童文学を書いたりしてるみたいで、色んなジャンルを手掛けているのね。

 そういうわけで、ものすごく久しぶりにガーレン・フォリーの新作を読んでみると・・あれ、この作者ってこんな作風だったっけ?昔ラベンダーブックスから出ていたシリーズは、どちらかというと冒険活劇風の話だった気がするけど、今作はヒロインが放蕩者のヒーローを愛で改心させるという、すごくオーソドックスなストーリーで、活劇要素は全くないストレートなロマンスだった。捻りがないのが逆に新鮮というか、複雑な設定もなければ、衝撃の事実が出てきたりもしないし、意地悪女が2人の仲を裂いたりすることもない。それなのに面白いから不思議。ヒーローは放蕩者の公爵だけど、颯爽としたタイプじゃなくて、ちょっとだらしなくて情けない感じ。昔から幼馴染のヒロインのことが大好きだけど、自分はダメ男で結婚に向いてないからと、彼女に近づかないように避けていた。ヒロインもヒーローのことが好きだったけど、ずっと避けられてたから彼のことは忘れるつもりだったのに、久しぶりに会ったらまた気持ちが再燃。自分の愛で彼を放蕩から救ってあげようと決心する。とにかくヒーローがヒロインにメロメロで、なんだか可愛い。怠惰な生活にどっぷり漬かった放蕩者で、なかなかのダメっぷりなんだけど、ヒロインのことは大切に想っていて素晴らしい女性だと崇拝しているのよね。

 思っていたのとはちょっと違う、軽めのロマンスだったけど面白かった。何の変哲もないストーリーなのに楽しめたのが意外だけど、そこが作者の力量なのかな。このシリーズ、原書は3作目まで出ていて、もうすぐ4作目が出版されるところみたい。続きも出してくれるといいんだけど。

スキャンダル公爵の愛しい人 (マグノリアロマンス)

スキャンダル公爵の愛しい人 (マグノリアロマンス)

  • 作者: ガーレン・フォリー,松木りか子
  • 出版社/メーカー: オークラ出版
  • 発売日: 2019/02/09
  • メディア: 文庫
Duke of Scandal (Moonlight Square, Book 1) (English Edition)

Duke of Scandal (Moonlight Square, Book 1) (English Edition)

  • 作者: Gaelen Foley
  • 出版社/メーカー: Gaelen Foley
  • 発売日: 2015/10/13
  • メディア: Kindle

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