囚われのエスカペード　リサ・マリー・ライス - ロマンス＆ミステリー小説感想日記

　“私のビリオネア”シリーズ最終話。セキュリティ会社経営のヒーローと、彼がボディガードを請け負った美人天才数学者のヒロインのロマンス。３部作のうちではこれが一番サスペンスがヌルいような。大部分は２人で隠れ家に籠ってイチャイチャしている話だった。終盤の展開は、それ絶対怪しいだろと誰もが思いそうなバレバレの罠なのにヒーローは気付かずヒロインが危機に陥って、ちょっとわざとらしい感じがしたわね。サスペンスとしてはやや詰めが甘いけど、ラブコメとして楽しめばいいと思う。ロシアのマフィアに命を狙われて隠れていないといけないから、素敵なアパートでハンサムなボディガードのヒーローと楽しく同棲生活を送り、暇つぶしに彼の会社の抱える事件を、天才的な頭脳でコンピューターを使って解決するヒロイン。楽しそうでいいわね・・。こんな軟禁生活してみたいわ。ヒーローは美人で頭も良いヒロインを女神のように崇めていて、いつものことだけど２人のメロメロぶりがギャグマンガみたいで笑える。お互いに相手のことが好きすぎて、彼/彼女は完璧！出会えて幸せ！未来はバラ色！って感じで、もう勝手にやってくれと。この極度に美化した大袈裟なロマンスこそ、リサ・マリー・ライスよね。(←褒めてます。）現実味はないけど面白い。この作者はどうせワンパターンで、似たような話だとわかっていても、つい読んでしまう。今作は特に、目新しいところが全然ない(笑)どこかで読んだことあるような話だったけど、それなりに楽しかった。