マロリー一族シリーズの番外編。このシリーズは好きでずっと読んでたけど、そういえばこの短編は未読だったと思い出して読んでみた。短編なので大した内容ではないだろうと思っていたけど、一族の祖先のロマンスがなかなか素敵で、短編ながら内容の濃いストーリーだった。いつもスキャンダルを起こしてばかりいる一族だけど、祖先もやっぱりスキャンダラスなロマンスで結ばれたのね。クリスマスの休暇で一族が勢ぞろいしたところで、何故か祖先が書いた記録書のような本が出てくるという話で、これまでの登場人物がぞろぞろ出てきて、最初はこの人誰だっけと焦ったけど、かなり個性的なキャラクター揃いだから、割とどの作品も印象に残っていて、すぐに思い出せたので、やっぱり面白いシリーズだったなあと思う。
ヒロインは一族の祖先の女性で、ロマとロシア貴族の混血!同族のロマの許婚がいるヒロインが、英国貴族と結婚するまでの波乱万丈のロマンス。流浪の民のロマらしく大胆なところもあるヒロインだけど、純粋で可愛い女性だった。ヒロインに一目で夢中になったヒーローは、貴族は庶民と結婚はできないけど、愛人になってもらおうとアタックするけれど、結婚しなければ自分を与えることはできないと断られる。(ていうか、この一族の男性陣って、ヒロインを愛人にしたがる人が多いわね。)断られてショックを受けつつ、それでも彼女を諦めきれないヒーローの行動が面白い。
祖先がこのタイミングで記録書が発見されるように仕組んでいたというのもなかなか気が利いていて良くできたストーリーだと思う。本国ではこのシリーズは12作目まで出ているのに翻訳は7作目までで終了してしまったのが残念。
The Present (Malory-Anderson Family Book 6) (English Edition)
- 作者: Johanna Lindsey
- 出版社/メーカー: HarperCollins e-books
- 発売日: 2010/08/31
- メディア: Kindle版