ロマンス小説感想日記

ロマンス&ミステリー小説感想日記

海外ミステリー、ロマンス小説のブックレビュー

禁断の公爵と還ってきた令嬢 ダーシー・バーク

 軽く読めるヒストリカル。250頁しかないので色んな意味で薄い。この作家さんは現代もののロマンスもたくさん書いてるらしく、そのせいかリージェンシーなのにヒロインの考え方が現代女性そのまま。

 昔スキャンダルで社交界を追放され、結婚もあきらめて田舎に引っ込んでるオールドミスのヒロイン。本人曰く、スキャンダルから多くを学び成長したとのことだけど、ちっとも学んでないような・・。昔、ハンサムな貴族にたぶらかされて破滅したのは気の毒だと思うけど、後見人になって社交界に返り咲くチャンスをくれた親切な貴婦人の息子に自分から言い寄って身を捧げるのはどうかしら。いくら超イケメンの公爵で好きにならずにいられないとしても、一度破滅している身にしてはやけに自由な恋愛観。私は自分の望むことをするのよ!って現代ならそれも良いけど、ヒストリカルでは違うだろとツッコミを入れたくなるわね。

 ヒーローは昔は放蕩三昧で、実は友人の男性にヒロインを誘惑するようけしかけた張本人だけど、更生した今は昔のことを恥じていて、そのせいで彼女とは距離を置こうとしている。間接的にヒロインの破滅に関わってはいたけど、彼女に近づかない理由としてはちょっと弱いし、結婚は将来的にはするだろうけど今はまだ独身のほうが気楽でいいとか、徹底的な独身主義ってわけでもなく中途半端なところがいまひとつ。禁断の公爵というからには、すごい秘密があるのかと思いきや、別に大したことはなく拍子抜けだった。

 たいした苦労もなくトントン拍子にハイスペックな夫をゲット出来ちゃうなんて、あまりにも話がうますぎてハッピーエンドのありがたみが薄いわね。短いから仕方ないかもしれないけど、もうちょっと紆余曲折の末に結ばれてくれたら良かったのに。

禁断の公爵と還ってきた令嬢 (ライムブックス)

禁断の公爵と還ってきた令嬢 (ライムブックス)

  • 作者: ダーシー・バーク,緒川久美子
  • 出版社/メーカー: 原書房
  • 発売日: 2019/04/09
  • メディア: 文庫
The Forbidden Duke (The Untouchables Book 1) (English Edition)

The Forbidden Duke (The Untouchables Book 1) (English Edition)

  • 作者: Darcy Burke
  • 出版社/メーカー: Darcy Burke
  • 発売日: 2016/03/15
  • メディア: Kindle

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