Morgan Dane シリーズ1作目。ヒロインは軍人の夫を亡くし幼い子供を3人抱えた未亡人で元検事補。復職しようとした矢先に知人の青年が無実の罪で逮捕され、検事補のキャリアを棒に振る覚悟で彼の弁護を引き受ける。ヒーローは元警官で、怪我で警察を退職し私立探偵をしていて、高校時代の恋人だったヒロインのために事件の調査を手伝うことに。冤罪の恐ろしさを痛感させられる話で、警察に犯人と決めつけられ刑務所に拘留された青年の処遇にゾッとした。不利な証拠ばかりが揃っていて、本当に無罪を立証できるのかと最後まで気の抜けないストーリーが良かった。
ヒロインが弁護士なので、もう少しリーガル・サスペンスっぽい展開かと思ったけど、法廷のシーンもないし、弁護士というより捜査官みたいだった。ヒロインが決定的な証拠を法廷で突き付けて、ギャフンと言わせるようなエピソードでもあればスカッとしたんだけど。(そういえば、ロマサスで法廷ものってあまりない気がするな。昔読んだ、ポール・ルヴァインの「マイアミ弁護士」シリーズが、リーガル・サスペンスにしてはラブコメみたいで面白かった記憶があるけど、あんな感じのをまた読みたいなあ。)
正義のためにキャリアを投げ打って無償で弁護するヒロインのキャラクターが良かったし、そんな彼女を支えるヒーローも優しいナイスガイで、2人の関係はまだ始まったばかりだけど素敵なカップルだった。同じ主人公で続いていくシリーズなので仕方ないのだけど、今作ではロマンスはまだ序章という感じだったから少し物足りない感じはする。2人とも好感の持てるタイプで良かったけど、まだ1作目だからか、そこまでキャラが立ってなくてちょっと印象が弱いかも。たぶんシリーズを重ねるにつれ、キャラが確立されていき、2人の関係も深まって面白くなっていくんだろうけど、続きは出ない気がするな・・。
悲しみは夜明けまで (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション(ロマンス・コレクション))
- 作者:メリンダ・リー
- 出版社/メーカー: 二見書房
- 発売日: 2018/12/18
- メディア: 文庫
Say You're Sorry (Morgan Dane Book 1) (English Edition)
- 作者:Melinda Leigh
- 出版社/メーカー: Montlake Romance
- 発売日: 2017/05/16
- メディア: Kindle版