シャロン・サラが2000年にダイナ・マコール名義で書いた古い作品。S・サラのサスペンスは内容が重くて暗い作品が多いけど、これはそこまで重くなく読みやすかった。
ヒロインが生まれたのが1973年という設定になっているけど、家どうしの確執で殺し合いをしているというのは、いくら田舎町でもちょっと信じ難いなあ。70年代にそんな野蛮なこと・・。ヒロインの祖母が魔女と言われて町の人たちに迫害されていたというのもちょっと無理があるような。時代設定がもう少し前で、開拓時代とかだったら説得力あったかも。その点を除けば割と面白いストーリーだった。群集心理の恐ろしさを書いているのが興味深く、一風変わったサスペンスだと思う。ロマンスは、この作者の定番だけどヒーローがとことんヒロインに尽くすタイプで、信頼が揺らぐことがなくどこまでも優しいのが良かった。元NFLの選手で超ハンサムで正義のために保安官になったというのはちょっと出来過ぎな気もするけど。ヒロインが祖母の汚名をすすぐために過去を探るうちに真実が明らかになり、町の人たちをギャフンと言わせるラストには胸がすき、希望に満ちたエピローグで締めくくっていたのが良かったと思う。
これも悪くない作品だったけど、D・マコール名義で一番好きなのはやっぱり「ミモザの園」かな。夢で透視ができるヒロインの話で面白かったので印象に残っている。
- 作者:ダイナ マコール
- 出版社/メーカー: ハーレクイン
- 発売日: 2005/03
- メディア: 文庫
- 作者:Dinah McCall
- 出版社/メーカー: MIRA
- 発売日: 2014/10/15
- メディア: Kindle版