ロマンス小説感想日記

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海外ミステリー、ロマンス小説のブックレビュー

過去が壊れる時 ペニー・ジョーダン

 ペニー・ジョーダンは、ハーレクインを何冊か読んだことがあるけど、ダイアナ・パーマーより好きかな。長編を読むのはこれが初めてだけど、プロットがちょっと増強されて尺が長くなってるだけで、いつも通りのストーリーだった。(数冊しか読んでない私が言うのもおこがましいですが・・。)

 ヒロインは、インテリアデザイナーとして自分の会社を経営しながら一人で姪を育てている。自分には男性なんか必要ないと豪語しているけれど、魅力的な男性が現れて意志に反して惹かれてしまう自分に戸惑ってアタフタし、彼に言い寄られるとプレイボーイの嫌な奴だと勝手に決めつけ、被害妄想に陥っている。ヒロインの姉が亡くなった経緯はとても悲しく、姉の残した子供を引き取って育てているのは立派だと思うけれど、人間はやはり恋をすると少しおかしくなってしまうものなのか、ヒーローと出会ってからの行動はかなり支離滅裂で、こんな面倒くさい女に惚れてしまうなんてヒーローも災難と言うしかないわね。別にコメディじゃなく、作者は笑わせようと思ってはいないのかもしれないけど、ヒーローのことを邪推して神経衰弱気味になってるヒロインが笑える。この作者は、恋した女性の混乱する思考を誇張してデフォルメするのが上手くて、実際にこんな人がいたら鬱陶しいだろうけど、読んでるぶんには面白い。本当は相思相愛なのに笑っちゃうくらいすれ違ってるカップルが、ああだこうだと悩んだ末、やっとお互いの気持ちに気付くというこの作者の典型的なパターンだけど、最後まで楽しく読めた。  

過去が壊れる時 (mirabooks)

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