ロマンス小説感想日記

ロマンス&ミステリー小説感想日記

海外ミステリー、ロマンス小説のブックレビュー

サイコセラピスト アレックス・マイクリーディーズ

 2019年のGoodreads choice awardsのミステリ部門受賞作。ずっと読みたいと思っていたのをやっと読んだ。(文庫で出してくれたら良かったんだけど、ポケミスは高い・・。)これは凄い!最近読んだミステリーで一番面白いかも。「このミステリーがすごい」とかのランキングに入ってないのが不思議だわ。ピーター・スワンソンより面白いんじゃない?この結末は本当に衝撃だわ。完全に予想外の事実に絶句したけど、それでこれまでのことが腑に落ちて、あぁぁ・・そうだったのか!!となる素晴らしく良く出来たプロット。デビュー作でこんな傑作を書いてしまうとはすごい新人が現れたわね。ネタバレしてこれから読む人の楽しみを奪ってしまうのは、この凄いミステリーに対する冒涜だから細かいことは書きませんが、あらすじをちょっとだけ紹介。

 主人公は心理療法士の男性で、幼少期に父親から虐待を受け、セラピストのカウンセリングで救われた経験から自分もサイコセラピストになった。そして、夫を射殺した後全く喋らなくなって精神科の施設に収容されている画家の女性の担当になり、彼女が何故夫を殺したのかをつきとめようとする。主人公の職業柄、心理学的な見解が色々と書かれているけど、難解なところは全くなくむしろ興味深い。読む前は、もう少し堅い内容かと思っていたけど、予想より柔らかい(?)ストーリーで読みやすく、主人公が舞台女優をしている美しい女性と電撃的な恋に落ちて結婚したエピソードとか、その後の結婚生活に浮上した問題なんかはメロドラマ的な面白さがあった。地味系のミステリーで派手なアクションはないけど、ストーリーのインパクトは絶大で読み始めたら止まらない。Award受賞で面白さはお墨付きだし、こんな傑作を読まずにいるのはもったいない。ロマサス好きな人で、C・フーヴァーの「秘めた情事が~」とか、リサ・ジュエルが気に入った人にもおすすめ。

 GoodreadsのAwardsも年々投票数が増えているから賞の重みも増していて、受賞作に対する注目度も上がっていると思う。2020年のミステリ部門の受賞作、Lucy Foleyの"The Guest List"はどこの出版社が翻訳を出すか興味津々だわ。(出ないってことはないよね?)ロマンス部門はジェニファー・L・アーマントラウトの"From Blood and Ash"が受賞してたけど、パラノーマルだから翻訳が出ることはなさそう。