ロマンス小説感想日記

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海外のロマンス小説やミステリー小説のブックレビュー

ザリガニの鳴くところ ディーリア・オーエンズ

 これはアメリカで、どんだけベストセラーリストに居座り続けるんだ?!というくらいバカ売れしている小説なので、そんなに面白いのかなあとずっと気になっていた。読んでみると、確かに面白い。もっと文芸小説っぽいのを想像していたけど、そんなに堅苦しい内容ではなく、ロマンスあり殺人ミステリーありの女性向けフィクションという感じで、非常に読みやすくストーリーにも引き込まれるものがありとても良かった。

 1950年代のアメリカで、暴力的な父親のせいで家族が次々と家を出て行ってしまい、最後には父親もいなくなって一人で取り残された少女が、人里離れた湿地にある家で自力で生活しながら成長していく姿を描いたストーリーで、村人たちに“湿地の少女”と呼ばれて蔑まれながらも強く生きているヒロインが感動的。学校に通っていない彼女に読み書きを教えてくれる優しい男の子が現れて恋に落ちるけれど、彼も大学へ行くために去っていき、孤独に苛まれて寂しさから悪い男に引っかかってしまったり、波乱万丈な恋愛も興味深く、ロマンス小説好きな人が読んでも楽しめると思う。美しい女性に成長し、独学で教養を身につけ、湿地の生物を研究して本まで出すというのは凄すぎるけど、まあフィクションなので多少話を盛ったほうが面白いもんね。作者自身が動物学者だそうで、湿地の自然の描写が見事で、動物の習性を人間にあてはめて考えたりするところが独特でとても興味深い。ヒロインが殺人事件に巻き込まれて一体どうなるのだろうとハラハラさせられ、裁判の行方にドキドキしていたら、読み終わるまでがあっという間だった。やはり話題作は読んでみるものよね。この系統の小説はそんなに多くは読んでないけど、ケイト・モートンより面白いと思った。逆境を生き抜いた女性の感動的なストーリーで、ロマンスやミステリーや色んな要素が盛り込まれたユニークな作風は一読の価値はあると思う。

ザリガニの鳴くところ

ザリガニの鳴くところ

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