ロマンス小説感想日記

ロマンス小説感想日記

海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

公爵に囚われた一週間 キャロライン・リンデン

 キャロライン・リンデンは特別好きな作家というわけではないけど結構読んでいて、初期の作品はドタバタしすぎてあまり好みじゃなかったけど、「公爵令嬢の恋愛入門」は良かった。「愛は暗闇の向こうに」はまあまあで、「本物のキスは罪深く甘く」はイマイチだったかな。自分にとっては当たり外れのある作家なのでどうかなあと思いつつ、しばらく翻訳が出ていなくて久しぶりの新作なので期待を込めて読んでみた。

 ヒストリカルロマンスで賭博でお金を稼ぐ令嬢の話は他にもいくつか読んだ気がする。そういうことをする女性はたいてい破天荒なタイプで、このヒロインも度胸があって負けん気が強いところはあるけれど、変に自立を重んじて結婚を避けているのでなく、いつか優しい男性と結婚して家庭を持ちたいと思っていて、ささやかな幸せを望んでいる素直なところが可愛いと思った。ヒストリカルでは自立にこだわって結婚を嫌がる頑固なヒロインにイライラさせられることが度々あるけど、そういうことはなく好感の持てるヒロインだった。

 ヒーローは弟が賭け事をするのをやめさせようと賭博場にやってきてヒロインと出会う。若くして公爵になった真面目なタイプだけど、彼女に一目惚れしてとち狂い、賭けで自分が勝ったら君の一週間がほしいと言い出す。公爵なので多少尊大なところはあるけど良い人で、衝動的に賭けをして予想外に勝ってしまいヒロインを連れ去ったものの、そんなことをした自分の行動に戸惑いアタフタしているところが笑える。こういうちょっと弱気なところのあるヒーローって好きだな。賭けに勝ったからといってすぐにベッドに連れ込むわけではなく、屋敷を案内したり一緒に乗馬をしたりするのが微笑ましいわ。ヒロインの胸の谷間をチラ見して妄想を募らせているのが面白かった。

 だいたいあらすじから想像したとおりの展開で、ものすごくドラマティックというわけではないけれど、起伏のあるストーリーで最後まで中だるみなく楽しく読めたし、主役の二人とも割と好きなタイプだったので良かった。C・リンデンはどちらかと言うとストーリーよりもキャラクター重視の作家なので、主役カップルが好みに合わないと読むのがツラいけど、これはアタリだった。

無断転載禁止 copyright © 2018 BOOKWORM