ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

サナトリウム サラ・ピアース

 スイスの人里離れた山奥にあるリゾートホテルで起きた殺人事件を、イギリス人で休暇中の警察官のヒロインが捜査するストーリー。そこは昔、結核患者のサナトリウムだったそうで、病院のように無機質な建物が不気味な雰囲気を醸し出していて、いかにも怪奇ミステリーの舞台になりそうなホテルだった。

 いわくつきのホテルで起きる連続殺人という設定は雰囲気満点で興味深いけれど、読んでみるとミステリーとしては割とありきたりだったので、もう一捻りあると良かった。サナトリウムの不穏な歴史や、幼い時に事故で末弟を亡くしたヒロインのトラウマ等、色んな要素が詰め込まれていて盛り沢山なんだけど、特別読者を唸らせるようなものはなく全体的に地味な印象。ヒロインも、仕事で失敗したことを悩んでいたり、長弟との関係がぎくしゃくしていたり、ボーイフレンドに心を開けずにいたり、等身大のキャラクターという感じで悪くはないのだけれど、いまひとつ魅力に乏しい印象を拭えず残念だった。

 最後まで冗長に感じることなく読めたし、手堅くまとめられたミステリーでそこそこ面白かったけど、特別印象に残るような作品ではないかな。

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