ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

この夜を終わらせない ティジャン

 The Insiders3部作の1作目。ヒロインが映像記憶能力のある天才ハッカーだというから壮大な陰謀を描いたサスペンスなのかと思ったけど、サスペンスというよりは金持ち一族の内輪もめみたいな話だったな。 

 ヒロインは貧しい母子家庭で育ったけれど、何者かに誘拐されかかったことで実の父親が大富豪のIT長者だと判明する。さらなる誘拐を防ぐため、父親の家に匿われることになり、父親の正妻や異母兄弟たちと対面する。父親の一族と近しい関係らしい謎めいたヒーローがヒロインを誘拐犯から守り、二人は恋に落ちる。ロマンスは良かったけど、金持ちセレブの堕落したライフスタイルや、スキャンダルの火消しに関するエピソードが多く、自分はそういう部分があまり楽しめなかった。アメリカ人はこういうの好きよね。セレブの破廉恥な行動が面白がられているアメリカと、不倫をしたタレントが仕事を干されるような日本とでは感覚が違うからねえ・・。

 ヒロインがハッキングで誘拐犯を突き止めるサスペンスを期待していたけどそうではなく、父親に無視されて傷ついたり、彼の正妻が私生児のヒロインをいじめたり、お騒がせセレブの異母兄に振り回されたり、富豪一族の愛憎劇を描いた昼メロみたいな展開で、ヒロインが大富豪の娘としてドレスアップしてお披露目されたりするところはまさにシンデレラストーリーだし、そういうのが好きな人には面白いと思う。自分はもう少しサスペンス成分多めのほうが好みだな。

 650頁くらいある長編だけど、ヒロインの異母兄の不品行を描くのにかなりのページが費やされていて、ストーリーが散漫になってしまった気がする。主役カップルのキャラクターは良かったしロマンスは素敵だった。謎めいたヒーローはアルファメールの魅力満載でヒロインが涎を垂らしそうになるのも納得。同じ主人公で話が続く3部作だけど、続編は出ない予感がするなあ・・。

Insiders

Insiders

  • 作者:Tijan
  • St. Martin's Griffin
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