ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

スリープウォーカー ジョセフ・ノックス

 マンチェスター市警 エイダン・ウェイツ シリーズ3作目。1~2作目は未読だけど、3作目が一番謎解きが凄いらしいので読んでみた。悪徳警官の話かと思ったけど、主人公のエイダンはそれほど悪い奴ではなく、悪辣な上司に利用され、犯罪組織に命を狙われながらも難事件を捜査している気の毒な刑事という印象だった。

 12年前の一家惨殺事件の犯人ウィックが、病気で余命わずかとなり刑務所から病院に移された矢先に何者かに殺される。ウィックは死に際に自分の無実を訴えていた。エイダンはそれを信じ、真犯人を見つけようとする。どいつもこいつも怪しくて誰が犯人でもおかしくない。なかなかエグい事件で、不快な事実がどんどん出てくる。謎解きは確かによく出来ていて面白かった。

 部下のことは利用して使い捨てる道具のようにしか思っていない上司や、弱みを握って脅迫してくる同僚に対処しながら事件の捜査をするエイダンには同情してしまう。過去の潜入捜査のせいで犯罪組織の親玉に目をつけられていて、いつ殺されるかわからない状況なのに助けてもらえないなんてイギリスの警察って酷いなと思いながら、主人公に肩入れしつつ読んでいた。清廉潔白な刑事ではないけれど、絶望的な状況にありながら必死で生きているところが良かった。謎解き目当てで読んだら主人公も意外と魅力的なキャラクターで、思わぬ拾い物だった。

 

 

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