ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

サスペンス作家が人をうまく殺すには エル・コシマノ

 これはおすすめ。この手のユーモア・ミステリーではかなり面白いほうだと思う。主人公のフィンレイはロマサスを書いている売れない作家で、浮気者の夫と離婚して2歳と4歳の子供を育てている31歳のシングルマザー。子育てに追われて執筆もままならず、家計は火の車でいつも請求書の山に埋もれている。ある日、エージェントとの打ち合わせでレストランに行き、小説の内容について話をしていたら、近くに座っていた女性に殺し屋と間違われ、夫の殺害を依頼されてしまう。誤解を解こうとしたけれど、妻が殺し屋を雇うほど酷い夫ってどんな奴だろうと好奇心に駆られ、彼が現れるというバーに出向いたところ、とんでもない事態に巻き込まれて・・・というストーリー。

 フィンレイがトラブルに見舞われ、墓穴を掘りまくって(比喩的にも文字通りの意味でも・・)どんどん事態が手に負えなくなっていくのがすごく面白かった。育児でヘロヘロになってるシングルマザーなのにどういうわけか、アバクロンビーのモデルのような(笑)ロースクールの学生や、ホットな刑事に言い寄られてモテモテで笑える。(女性の素人探偵ものでは、お菓子探偵ハンナやステファニー・プラムのように、イイ男×2の間でフラフラするのが定番よね。)ちょっと抜けてるけど憎めないフィンレイのキャラクターが良かったし、ベビーシッターのヴェロニカや、警察官をしている姉のジョージア、元夫の婚約者で性悪女のテレサ等、脇役もキャラが立ってて良かった。ロシアン・マフィアが出てきたり、なかなか物騒な話で、ミステリーとしても良く出来ていたし、ストーリーに勢いがあって、窮地に陥ったフィンレイにハラハラしながら読むのがとても楽しかった。このジャンルは一時期結構読んでいたけど、ここまで面白いのはなかなかないと思う。J・イヴァノヴィッチには負けるけど、かなりいい線いってる。あとがきによれば次作も刊行予定とのことで楽しみだわ。

 

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