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海外ミステリーとロマンス小説のブックレビュー

脅迫 ノア・ボイド

脅迫(上) (SB文庫)

脅迫(上) (SB文庫)

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脅迫(下) (SB文庫)

脅迫(下) (SB文庫)

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 ノア・ボイドは、日本でも結構人気のあったポール・リンゼイという作家さんの別名だそうで、残念ながらご本人は2011年に亡くなられていますが、調べてみたらこの作品、レニー・ハーリン監督、アーロン・エッカート主演で映画化されて、2023年夏にアメリカで公開予定らしい。Aaron Eckhart, Nina Dobrev  ‘The Bricklayer’  – Deadline 確かに主人公のスティーヴがものすごくインパクトのあるキャラクターで、面白いアクション映画になりそうなストーリーだった。ジャック・リーチャーやグレイマンに続く人気キャラになれるかも?!

 スティーヴ・ヴェイルは元FBI。とんでもなく有能な捜査官で逃亡犯を見つけることにかけてはピカいちだったけど、人に服従するのが大嫌いでFBIをクビになり、今は煉瓦職人(?!)をしているという。FBIに直接脅迫状を送り付けてくる恐ろしい殺人集団が出現し、手がかりを掴めず窮地に陥ったFBIの上層部はスティーヴを呼び戻して捜査を担当させ・・というストーリー。

 とにかくスティーヴが型破りにも程がある(笑)。一匹狼で誰も信用せず、黙々と一人で手掛かりを追って犯人に近づいていくのが凄い。爆弾で吹っ飛ばされそうになったり、銃を乱射されてハチの巣にされかけたり、何度も死にそうな目に遭うけど毎回生き延びて不死身すぎるわ~。お目付け役の美人捜査官と良い雰囲気になったり、連邦検事補の女性に言い寄られたりして無駄にモテるのもお約束だわね。敵も手強くてスティーヴでもなかなか正体を暴けず苦戦するけど、これくらい敵が賢いと挑み甲斐があって面白いわ。奇抜な事件だけど周到に計画されていて興味をそそられたし、スピード感のある展開でサクサク読めた。遺作となったシリーズ2作目が未訳なのが残念。スティーヴの活躍をもっと読みたいので続きを出してくれないかしら。(ソフトバンク文庫はもう廃刊っぽいから望み薄だけど、映画が当たればどこかの出版社が出すかもね。)

 

(追記)

日本でも2024年春に公開予定だそうです。配給会社のウェブサイトに載っていました。

THE BRICKLAYER(原題) - 株式会社クロックワークス - THE KLOCKWORX

 https://m.media-amazon.com/images/I/81JyuD9lHOL._AC_UL480_FMwebp_QL65_.jpg

↑こちらはAmazon.comの画像です。