Men of maddox Hill 3作目。邦題が意味不明だけど内容は面白かった。PRコンサルタントのヒロインがネット上で嫌がらせを受け、セキュリティの専門家のヒーローに相談したところ、彼がボディガード役を買って出て24時間彼女に張り付いて保護することになり・・というストーリー。
ヒロインがPRを担当しているのが砂漠の緑化に取り組む兄弟学者で、カーボン・ニュートラルとか、シリーズ通してさりげなく社会派っぽいネタを取り上げているところは流石。ハーレクイン小説にそういう意識の高さを求める人はあまりいないかもしれないけど、ストーリーにリアルさが加わって説得力が増すと思う。お金持ちのお嬢様のヒロインを高嶺の花だと思いながらも密かに恋していたヒーローが、少女の頃に両親を飛行機事故で亡くした心の傷を抱えているヒロインを癒すのが素敵だった。
楽しく読めるロマンスで良かったけど、やはりこの作家はハーレクイン・ディザイアでは本領を発揮しきれないと思うのよね。過去のロマサスと比べると、アクが抜けて薄味になっているような感じでちょっと物足りない。体が大きく髪もミリタリーカットで、シリーズ中では一番いかついヒーローだったけど、それでも何だかマイルドでアルファ味(?)が足りない気がしたわ。シリーズ3作読んで満足したので、次はまたロマサスをお願いしたいところだけど、このシリーズの後、またハーレクイン・ディザイアの "Dynasties: Tech Tycoons" というシリーズを4作書いているのよね。表紙から判断するに、ヒロインがアフリカ系だったりヒーローがアジア系だったり多様性に配慮(?)しているみたい。
それからロマサスの新シリーズの1作目が4月に発売予定になっていた。こっちのほうが読みたいな。翻訳は出るのかな?