ロマンス小説感想日記

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海外ミステリー、ロマンス小説のブックレビュー

ロマンスのR スー・グラフトン

R Is For Ricochet: A Kinsey Millhone Novel (English Edition)

R Is For Ricochet: A Kinsey Millhone Novel

  • Grafton, Sue
  • G.P. Putnam's Sons

 

 キンジー・ミルホーン シリーズ。危険のPが面白かったのでもう一冊読んでみた。原題はRicochet (跳ね返った弾丸) のRだけど邦題はロマンスになっている。キンジーに恋人ができるから内容的には合っているわね。

 お金持ちの老人から、娘のリーバが刑務所から仮釈放になるので迎えに行って、問題を起こさないよう面倒をみてほしいと依頼されたキンジー。32歳のリーバは甘やかされた放蕩娘で、会社のお金を横領して服役していたらしい。ちょろい仕事だと思ったら、リーバの雇い主だった建築会社の社長が犯罪に手を染めていて彼女を利用していたことがわかり、FBIまで出てきて大変なことに・・というストーリー。リーバは浮ついた女性だけど憎めないところがあり、キンジーも何をするかわからない彼女に手を焼きながらも好感を持っていて、必死に彼女を救おうとしてとんでもない事態に巻き込まれていくのが面白かった。リーバの元雇い主は女性を利用する卑劣な男なので、女性陣に肩入れして読んでいた。

 キンジーの新しい恋人は以前から知り合いの警部補で、高級車を乗り回し服装もオシャレな筋肉モリモリのイケメン。キンジーってこういうタイプが好きだったのか。意外と面食いなのね。これまでに結婚や恋愛で失敗しているから、素敵な男性と恋人同士になっても、あまり期待しすぎないように自分を戒めているキンジーの微妙な女心がリアルで良かった。2人の関係が今後どうなるのか気になるのに、この作品を最後に翻訳が止まっているのが残念だわ。

 

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