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海外ミステリー、ロマンス小説のブックレビュー

ジョイランド スティーヴン・キング

Joyland (Hard Case Crime Book 112) (English Edition)

Joyland (Hard Case Crime Book 112)

  • King, Stephen
  • Hard Case Crime

 

 スティーヴン・キングは昔「スタンド・バイ・ミー」と「デッドゾーン」と他にも何か読んだ気がするけどタイトルを忘れてしまった。ホラー小説の第一人者で多くの作品が映画化されているけど、怖いのが苦手なので小説も数冊読んだだけだし、映画もあまり見ていないのよね。最近はミステリーも書いているみたいで、これはあまり怖くなさそうなので読んでみた。この「ジョイランド」は「スタンド・バイ・ミー」のようなノスタルジーを感じさせるストーリーにミステリーの要素を加えたハートウォーミングな青春もので、思わずウルっとさせられる切ない場面もありとても良かった。

 主人公は大学生のデヴィンで、夏の間、学費を稼ぐために遊園地でのアルバイトに応募して毎日忙しく働いている。猛暑の中、犬の着ぐるみを着て子供たちを楽しませたりする彼の日常が活き活きと描かれていて楽しかった。仕事仲間のトムとエリンとの友情がいかにも青春という感じで良いのよねぇ。ガールフレンドにフラれて落ち込んでいるデヴィンが気の毒で感情移入してしまったわ。彼が色々な人と出会い、様々な経験をして成長していくのが良かったし、死について考えさせられるストーリーには深いものがあった。

 後半はミステリーっぽくなって、殺人犯と対決するサスペンスフルな展開にハラハラさせられ面白かった。超常現象的な要素がちょっとだけあるけどあまり怖くないので、ホラー好きな人には物足りないだろうけど、怖いのが苦手な人にはちょうど良いと思う。

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