ロマンス小説感想日記

ロマンス&ミステリー小説感想日記

海外ミステリー、ロマンス小説のブックレビュー

真夜中の抱擁 リサ・マリー・ライス

真夜中の抱擁 (海外文庫)

真夜中の抱擁 (扶桑社BOOKSロマンス)

  • リサ・マリー・ライス
  • 扶桑社
Midnight Embrace (Women of Midnight Book 2) (English Edition)

Midnight Embrace (Women of Midnight Book 2)

  • Rice, Lisa Marie
  • Oliver Heber Books

 

 ミッドナイト シリーズ最新作。前作から2年半ぶりなのね。またもや国家の危機レベルのすごい陰謀に巻き込まれたヒロインを助けるべく遣わされたヒーローが彼女と熱烈な恋に落ち、お互いに首ったけで色惚け状態の2人が事件を阻止するサスペンス。 

 リサ・M・ライスは毎回同じような感想を書いている気がするなぁ。前作の感想をそのままコピペしてもいいかもしれない(笑)。本作はヒーローがヒスパニック系なのが少し珍しいけど、結局いつも同じようなタイプなのよね。赤毛のヒロインの名前が "エマ" ってわかりやすいわ。 (赤毛女性の定番の名前よね。) ヒロインがサンフランシスコの証券会社のアナリストをしていて、ヒーローと一緒に路面電車に乗って素敵なレストランに行ったり、彼女の仲の良い同僚がゲイで、失踪した彼を探すためにゲイ専門のクラブに行ったりするのが楽しそうだった。ゲイが多い土地柄だもんね。ラテン系のヒーローなのにダンスが下手くそで、スペイン語もあまり上手くないというのが面白いわ。帯の宣伝文句に「官能あおるタンゴのリズム~」とか書いてあるけど、ヒーローはダンス苦手でタンゴは無理だからヒロインは別の人と踊ってたけどね。

 前半はいつも通り、一目で惹かれ合った2人がお互いを称賛しまくっていて、よく褒めるネタが尽きないなあと感心しながら読んでいた。サスペンスは南米の麻薬カルテルのボスの陰謀が壮大すぎて突っ込みどころはあるけど、ヒーローとヒロインが協力してお互いの得意分野で能力を発揮し阻止する展開は良いわね。か弱くてヒーローに守ってもらうだけのヒロインはもう古いから、最近の作品はどれもそんな感じよね。ヒーローがヒロインを持ち上げすぎるきらいはあるけど、この作者の描くヒロインは出しゃばりすぎることなく、彼が助けてくれることに素直に感謝しているところが好感度高い。ヒーローがメロメロなのは同じだけど、昔の作品と比べると強引さは控えめになって、ちゃんと彼女の意思を尊重して同意を得てから行動に移すところに、時代の流れを感じるわ。最後は次作のヒロインが窮地に陥って助けを求めるところで終わっていたので、まだシリーズは続くということね。作者のウェブサイトを見たら、次作の "Midnight Caress" が今月20日発売予定になっていたので、翻訳もそのうち出るかな?

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