秘密組織の暗殺者として長年一緒に働き、今は60代になっている4人の女性が突然何者かに命を狙われ、4人で協力して敵の正体を突き止め反撃するというストーリー。最近流行っているお年寄りが主人公のミステリーで、"チャーリーズ・エンジェル"の老女版みたいな感じ。ガールズ・トーク(60代をガールと言っていいのかわからないけど)多めで、女性向けの内容だと思う。主要な登場人物はみんな体にガタがきている年代だけど、老体に鞭打ってアクションも頑張っていて、テンポの良いストーリー展開で楽しく読めた。「木曜殺人クラブ」より好きだわ。
ちなみにこの作家はずっと女性向けのヒストリカル・ミステリー* を書いていたそうで、この作品で現代ものに初挑戦したらしい。色んな作家がブームに乗って老人ミステリーを書いているわよね~。
4人が若かりし頃のエピソードも入っていて、過去の任務の逸話も色々書かれているので飽きなかった。主人公のビリー、夫を亡くして沈んでいるヘレン、同性のパートナーがいるメアリー・アリス、男好きなナタリーと、それぞれキャラが立っていてわかりやすい。強いて言えば、4人の絆とか友情を感じられるようなエピソードがもっとあると良かったかな。4人の会話は楽しいけれど、何だかティーンエイジャーがおしゃべりしているみたいで、60代女性の話し方ではないように感じたので、もう少しセリフの訳し方を工夫してオバチャンぽくしたほうが良いのでは?
アメリカからヨーロッパまで敵を追いかけて移動し、過去に培ったスキルを活用して老女達が敵をやっつけるのが爽快だった。ビリーは元恋人のタヴァナーとせっかく再会したのだから、もっと何かあれば良かったのに、タヴァナーがとっとと去ってしまったのが残念だったなぁ。(2人のロマンスを期待した読者は多いと思う。)でも作者はあとがきで続編があるようなことを匂わせていたので、シリーズ化して再登場させるつもりなのかもね。