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海外ミステリー、ロマンス小説のブックレビュー

あの夜、わたしたちの罪 ローリー・エリザベス・フリン

The Girls Are All So Nice Here: A Novel (English Edition)

The Girls Are All So Nice Here: A Novel

  • Flynn, Laurie Elizabeth
  • Simon & Schuster

 

 このヒロインには全く同情できないけれど、サスペンスとしては面白かった。あらすじはこんな感じ。大学卒業10周年の同窓会開催を知らせるメールが届いたけれど、行くつもりのないヒロインは返信もせず無視していた。ところが「あの夜、私たちがしたことについて話しあいたい」という謎の手紙が届く。ヒロインとその友人は、大学時代に起きた何やら恐ろしい事件に関わっていたらしく、その事件の真相を知るために同窓会に参加することに。

 大学時代のヒロインが、ルームメイトの彼氏を横取りしようと、2人の仲を裂くためにしたことがあくどすぎて引いた。これはもう意地悪女と言うよりサイコパスの成せる業でしょう。いくら悪い友達の影響を受けていたとは言え、ここまで残酷なことをするとは。パーティー三昧で、酒もドラッグも男もやりたい放題という、おぞましい学生生活にもドン引き。

 そういう不快な内容にもかかわらず、過去に一体何があったんだろうと気になって、どんどんページをめくってしまったのよね。謎を引っ張り読ませる構成は上手いと思う。全く好感の持てないヒロインだけど、学生時代に人気者になりたくて虚勢を張ってしまう気持ちはわかるので、イケてる女子の仲間になるために、彼女が一体どこまでするのか興味をそそられた。

 暗く陰湿なストーリーだけどインパクトはあり、堕落していくヒロインから目が離せず面白かったし、結末も衝撃的だった。結局のところ、何の感情も沸かない平凡な主人公よりは、うへぇと思うようなビッチなヒロインの話のほうが読むには面白いということね。イヤミス好きな方におすすめ。

 

 どうでもいいことだけど、最初の登場人物紹介は誰が書いたんだろう?書いた人はもう少し日本語力を磨いたほうがいいと思う。

 

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