待ちに待った It Ends With Us の続編。リリーとアトラスのハッピーエンドを見届けられて胸が一杯になったわ。作者は元々続編を書く気はなかったらしいけど、読者の熱烈なリクエストに応えて書くことにしたらしい。確かに、二人の明るい未来を想像させる前作のエンディングは秀逸だったので、あれで終わっても良かったと思うけど、読者としては幸せな二人の物語を読みたいわよね。
前作は辛く試練に満ちた内容だったけど、本作は甘めのラブストーリーで、アトラスの魅力全開。こんなに優しい男性に愛されてリリーは女冥利に尽きるわね。彼がリリーへの想いを綴った手紙が本当に素敵で、何度もうるっとさせられた。リリーの元夫のライルが嫌がらせをしてきたり、アトラスの家族に関する思いがけない展開もあって楽しく読めた。ライルはDVは言語道断とは言え、前作では魅力もある複雑な男性として描かれていたけど、本作では単なる嫌な奴になっていて残念だった。
実際のところ、これは前作のエピローグ的なストーリーで、そこまで内容が濃いわけではなく（リリーの日記なんかは前作の内容の繰り返しだし）作者としても渾身の力作というわけではないと思うんだけど、それでも並みの作家より面白かったわ。
この作家は未訳の作品がまだたくさんあるから翻訳を出してほしいなぁ。今月NYタイムズのベストセラーリストで1位になっていた "Too Late" はダークなロマサスみたいで面白そう。
