ロマンス小説感想日記

ロマンス&ミステリー小説感想日記

海外ミステリー、ロマンス小説のブックレビュー

卒業生には向かない真実 ホリー・ジャクソン

 

 Good Girl's Guide to Murder 最終作。これは確かに衝撃的だった。この作者、只者ではないな。まさかこんな展開になるとは。良い子のピップが・・・。1、2作目の爽やかな青春ミステリーが好評だったから同じ路線で3作目も行くのかと思っていたけど、三部作を無難に終わらせることなく、読者の予想を覆しダークなストーリーで締め括った作者に拍手を送りたい。

 この内容は賛否両論あると思うけど、私は気に入った。巻末の謝辞を読むと、作者は刑事司法制度に失望を感じているようで、そういう作者の思いが伝わってくるストーリーだった。優等生のピップがこんな行動に走るとは思いもよらなかったけど、窮地に陥ったピッパをボーイフレンドのラヴィが無条件で助けようとするのが良かったし、ハラハラドキドキの展開にページをめくる手が止まらず、680頁の長編なのに長さを感じなかった。

 ちなみに本作はシリーズの1、2作目を読んでいる前提で書かれているので、未読の方は順番通り読まないと話についていけないと思う。私は読んだのがだいぶ前なので内容を忘れていたから、既刊の登場人物の名前が次々出てきて、思い出すのに難儀した。読む前に前作までの内容を復習しておいたほうが良かったかも。

 

 

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BBCがドラマ化

主役のエマ・マイヤーズは、ウェンズデーのイーニッド役でブレイクした女優さん。

 

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