ドラマ化されてprime videoで最近配信が始まったばかりの「治療島」。セバスチャン・フィツェックは以前「座席ナンバー7Aの恐怖 」を読んで割と面白かったので、ドラマを見るのではなく小説のほうを読んでみた。
どんでん返しが売りの作家だけあって、独創的なアイディアのサスペンスが面白かった。原因不明の病に見舞われたティーンエイジャーの娘が失踪し、悲嘆に暮れる父親が主人公で、事件を解明しようとするうちに驚きの事実が明らかに・・というストーリー。よくこんな話を考えたなぁと思うけど、この突拍子もないオチは賛否両論ありそう。オチが全てと言ってもよい作品なので、途中の展開はややもったいぶっているように感じたけれど、比較的短くまとまっているのでダレることなく最後まで読めた。色々突っ込みどころはあるけど、不気味な雰囲気のストーリーに引き込まれ、事件の真相が気になってどんどんページをめくってしまった。
この作家のデビュー作なので、アイディア先行で粗さが感じられるところもあったけど、そういうB級感がホラーっぽい内容と合っていてなかなか楽しめるサイコ・スリラーだった。ドイツでは「ダ・ヴィンチ・コードを超えた!」と絶賛されるほど大人気らしい。(それはさすがに褒めすぎで、ダン・ブラウンとは系統が違うし、ダ・ヴィンチ・コード>>>(超えられない壁)>>>治療島 だと思うけど・・。)
これは確かに映像化に向いていそうな作品だわね。主人公を演じる役者の演技力が問われるストーリーだと思う。小説では主人公の精神科医は元々端正な容貌だったけど、娘の失踪で憔悴して見る影もなくなってしまったという設定になっていたけど、画像を見る限り主役の俳優さんはあまり端正ではないような。とは言えドラマの評判はそこそこ良いみたい。ドイツ人作家の小説は、Netflixがドラマ化した「汚れなき子」も読んだけど、映像化して面白そうなのは「治療島」のほうだと思った。(私はドラマはどちらも見ていませんが。)