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永遠が終わる頃に シャノン・マッケナ

永遠が終わる頃に (mirabooks)

永遠が終わる頃に (mirabooks)

  • シャノン マッケナ
  • ハーパーコリンズ・ジャパン

 

 S・マッケナの契約結婚をテーマにした新シリーズ。ハーレクイン小説も上手い作家が書くと面白いわね。特にヒロインがこの手の小説で定番の秘書とかナニーとかではなく、知的な専門職に就いていて、ヒーローと対等な立場なのが良いと思う。会社が環境に配慮した事業を展開する最先端の業種だったりするところから作者の環境問題への関心が窺え、前のシリーズと同様、意識の高さを誇示した内容になっているわね。

 契約結婚でもヒロインがきちんと権利を主張しているし、ヒーローが過去の過ちを悔いて最初から下手に出てあまり高圧的でないところが今風だと思う。ハーレクインによくある傲慢男と耐える女という構図は、昔ならそういう話がウケたんだろうけど、今の時代にはあまりそぐわないもんね。ヒロインがそれほど弱い立場ではなくちゃんと自己主張しているから、昔ヒーローに捨てられたとは言えそれほど気の毒な感じはしないけど、昔別れた恋人との再会に心が揺れて恋心が再燃するロマンスが良かった。

 この短さで、企業を陥れようとする投資家が出てきて、若干サスペンスっぽい展開まであって、ハーレクインらしからぬ完成度の高さだと思う。次作は原書のあらすじを見たところ、本作ヒーローを昔裏切ったという仕事仲間と、ヒーローの妹のロマンスらしいので、なかなか面白い展開になりそうで楽しみだわ。

 

 ところで前作の感想で、次のシリーズは表紙から判断するに、ヒロインがアフリカ系だったりヒーローがアジア系だったり多様性に配慮(?)しているみたい、と書いたけど、2作目は本作ヒーローの妹、3作目は弟の話だというのに、どうして表紙のモデルの人種がみんな違うのか??本作を読んだ限りでは、母親が奔放だったため父親が全員違うということだったけど、人種に関しては言及されていなかったと思う。2作目のヒロインはアフリカ系、3作目のヒーローはアジア系に見えるけど、父親の遺伝子が強かったということ??そうだとしたら、お母さん、守備範囲が広くて色んな人種の男性と満遍なく付き合ってたのね・・。(兄弟なのに全員人種が違うとか、かなり無理やりな設定なので、もしかしたら、表紙のモデルは内容に関係なく選んでいるのかな??)

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